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新着! ウィーンフィルの交響曲集 [新着アルバム]

ウィーンフィルの自主制作によるハイドンの交響曲集3枚組がHMV ONLINEに入荷し、昨日届きました。

HaydnWP.jpg
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3758918

曲目は、ドホナーニの12番(91年)、メータの22番哲学者(72年)、ウェザー=メストの26番ラメンタチオーネ(98年)、アルノンクールの93番、103番太鼓連打(2009年)、ウェザー=メストの98番(2009年)、そしてブーレーズの104番ロンドン(96年)の7曲です。ハイドンイヤーとなった昨年の演奏が中心ですが、古い録音も含めたウィーフィルのライブ録音をまとめたものです。

意外ですが、ウィーンフィルのハイドンの交響曲の録音は多くなく、近年ではバーンスタインとプレヴィンが数曲づつ録音したものがあるくらいで、その他ベームの録音などで、あとはDECCA時代のカラヤンやクレメンス・クラウス、フルトヴェングラー、ワルター、モントゥーなどの時代までさかのぼってしまいます。
ムジークフェラインやコンツェルトハウスなどでのライブ録音だという意味も含めて今回の選集は貴重な録音ということが出来るでしょう。

良かったのはドホナーニの12番、意外ですがメータの哲学者、そしてアルノンクールの2曲です。
メータの録音は72年ですから、メータ全盛期だったんでしょう。今は無難な演奏が多く、いまいち踏み込めてない感じが拭えないのですが、この哲学者は名演奏です。単調で独特なこの曲の面白さを良く表現できていて、微笑ましさのでた良い演奏です。
そしてアルノンクールですが、特に太鼓連打はいいですね。所々にアルノンクールらしいタメがあって、ちょっと癖が強いところがあるんですが、ライブ特有の盛り上がりで聴かせきってしまいます。冒頭のティンパニも祝祭感を高めるような独特のバチさばき。昔は独特のアクの強さが鼻について好きになれなかったんですが、程よいアクとそのアクから生まれる独特の高揚感がハイドン、特にこの曲の曲想を見事に表現しています。

ウェザー=メストの演奏は悪くないんですが、今ひとつどのように表現したいのか伝わりきらないもどかしさもあります。おそらく小沢征爾に変わってウィーン国立歌劇場の音楽監督(だったかしら?)につくという立場から、このアルバムに演奏が選ばれたんじゃないかと邪推してます。(笑)

あと、ブーレーズのロンドン。こちらも期待通りブーレーズらしい音符を忠実に表したような演奏で、これはこれでいい演奏だと思います。ロンドンの音符を自然ながら曲全体を見渡した構築感のある演奏とでもいったらいいでしょうか。ただ、私はブーレーズにはブルックナーの8番の爆演の呪縛もあり、いつも過度な期待をしてしまい、ちょっと空振り感も感じてしまいました。

古い録音も含めて総じて録音も良く、拍手が入った構成もいいです。ホールはムジークフェライン、コンツェルトハウス、ルツェルンでの録音ですが、やはりコンツェルトハウスで録ったアルノンクールのセッションが最もいい音響でした。
ウィーンフィルの極上の音響とライブの興奮を味わえるいいアルバムです。おすすめです。

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