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カラヤンの天地創造比較3 [スポットライト]

ちょっとスポーツクラブで泳いで、気分一新、カラヤンの天地創造の本命、スタジオ録音盤です。
今日3回目の更新!(こんなこと初めてです!)

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こちらは、66年から69年にかけて録音されたスタジオ録音盤。

こちらは、超豪華ソリスト陣。ドイツ・グラモフォンの威信をかけたプロダクツといってもいいような絢爛豪華な布陣です。

ヤノヴィッツにヴィンダーリッヒ、フィッシャー・ディースカウ、ワルター・ベリー、そして34曲のソロになんとクリスタ・ルートヴィッヒ! ヴィンダーリッヒが録音の完了を待たずに急逝したため、ウェルナー・クレンがあとを継いで歌っています。

冒頭のオケから、ライブとは次元の違う緻密な演奏。冒頭の一音から大地をたたき割るような迫力の音塊。スタジオ録音にありがちな整った音調とは一線を画す、気合いのこもったオーケストラの響き。ベルリンフィルの弦が切れまくってます。なんと言うすばらしい弦の厚み! 神様降りてきてます!
第1部のクライマックスである3日目(トラック12)に入る所から第1部の集結まで、極太の筆で一気に書き上げるような奇跡的な展開。霧の中から徐々に光が射してくるような序奏からヴィンダーリッヒのビロードのような声で「いまや輝きに満ちて、陽は光を放ちながら昇る」とはいり(トラック13)、そしてクライマックスの「もろもろの天は神の栄光をあらわし」へ。完全にノックアウトです。

直前のライブで打たれた、ヤノヴィッツもとろけそうになるほど絶品の出来。ヴィンダーリッヒの気高さが際立ち、フィッシャーディースカウのアダムも完璧な抑制で終盤を引き締めます。

録音もオーケストラの一部が歌手であるようなオーケストラ主体の録音。この盤ではソリストのすばらしい輝きも、カラヤンの支配するベルリンフィルの圧倒的な音響、というより魂の響きにかすみがちです。これがカラヤンが目指したオーケストラ録音というプロダクツの金字塔ともいうべきものでしょう。

カラヤンが最も輝いていたすばらしい演奏の記録として、揺るぎない価値を持っていると思います。

この盤は、天地創造のベストチョイスというという位置づけのみならず、LP時代の録音芸術の最上の遺産、そして晩年は良い評価ばかりではなかったカラヤン、そしてベルリンフィルの真価をつたえる至宝として、広くお勧めできるすばらしいアルバムだと思ってます。
もちろん、この盤で演奏されたハイドンの最高傑作である天地創造の真価を伝えるアルバムであることは間違いありません。

レビューを書くにもエネルギーが要りますね(笑)
今日はカラヤンの天地創造を4種も聴いたのでくたくたです。

近所に一杯のみに行くこととしたいと思います。ひば。

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カラヤンの天地創造比較2 [スポットライト]

つづけて、さきほど取り上げたグラモフォン正規盤の5年前の1977年の、同じくザルツブルグ音楽祭のライブ盤。(CD−R)

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ソリストは、マティス、シュライアー、ファン・ダムにウィーン国立歌劇場合唱団、ウィーンフィルという顔合わせ。

基本的にはアライザとシュライアーの違いだけです。
録音は観客席のざわめき、咳などが入っていたり、ピークがちょっと歪んでたり、ノイズがわずかに入るなどの傷はあるものの、音楽を楽しむにはこちらの方がリアリティがあっていいです。ソリストの声も明瞭です。ライブ盤は客席のノイズなどを除去しないほうがいいですね。

これは、カラヤンも見事。ソリストをしっかり支えながら、オケのダイナミックさで聴かせるところもポイントをおさえてます。第一部のフィナーレの頂点への持っていき方もすばらしい統率で盛り上がります。低音弦を中心に弦の厚みを感じさせるところともカラヤン風です。同じザルツブルグ音楽祭ライブの5年間の隔たりは大きなものと言わざるを得ません。
ソリストは、シュライアーの規律を感じさせる透明感のあるテナー、ファンダムの深みのあるバリトン。マティスが若干控えめながら、安定感のある歌唱。
ライブの魅力も存分に感じさせるいい録音だと思います。


そして、さらにさかのぼること12年。同じくザルツブルグ音楽祭、1965年のライブ盤。

KarajanCreationLive.jpg


これはグラモフォンの正規盤。ヴィンダーリッヒ急逝直前のライブです。

これはカラヤン全盛期のライブ。カラヤンがオーケストラを緻密に指示しようとしていながら、ライブだけにオケが最初から少々混乱している感じもあります。特にオケを押さえる部分をかなり押さえて、コントラストをきっちり表現したいというところに力点がおかれているように聴こえます。進むにつれてオケの調子も上がり、統率を取り戻していきます。第一部のフィナーレの盛り上がりは振り切れてすばらしいフィニッシュ。カラヤンの演奏にも帝王の風格を感じます。

この盤はジャケットに写真が載っていることからわかる通り、ヴィンダーリッヒを聴くべき盤なんだと思いますが、ところがどっこい、ヴィンダーリッヒ以上にプライとヤノヴィッツも激演です。特にヤノヴィッツにはノックアウトです。声質が好きなこともありますが、なんと可憐な歌声。ホールにピンと緊張感が張りつめるなか、ヤノヴィッツのソロが響き渡り、美しさに昇天です。
トラック5のガブリエルのソロが入った瞬間の清々しさ。トラック9のガブリエルのアリア、このような美しい音楽をここまで美しい声で歌われたら、、、この世のものとは思えないひと時です。

録音は65年ゆえ、流石に古さを感じさせ、オーケストラの音に厚みがたりず、その後の録音とくらべると若干聴きおとりするのは否めませんが、この盤はこの盤で、カラヤンの溢れんばかりの覇気と歌を来くべきすばらしい価値があると思います。

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至福の歌曲18枚! 昇天! [スポットライト]

もう我慢できません!

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歌曲の整理をしていますが、まだ未整理(所有盤リストに未登録)のBRILLIANT CLASSICのスコットランド歌曲集を取り上げてしまいます。ハイドンの歌曲のというより、音楽の最上の悦びが存分に味わえます。

私が手に入れたのは分売の方ですが、これから手に入れられるのであれば、最近リリースされた上記の全集の方をお勧めします。18枚もの宝物が1セットにまとまっていとも簡単に手に入れられてしまいます。

私が初めて手に入れた分売の方の第1巻。衝撃の出会いでした。

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いまでもよく聴きますが、このアルバムに含まれているスコットランド民謡をもとにハイドンが編曲した美しいメロディー。
ピアノとヴァイオリン、チェロの伴奏で聴くソプラノとテノールによる民謡の数々。何度聴いても昇天寸前です。
こんなに素朴で、こんなに美しい音楽があるんでしょうか。
技巧とも創意とも挑戦とも無縁の歌の数々。ハイドンが四季を作曲したあとの最晩年にたどりついた、純粋無垢の音楽。
わたしは、この歌曲集が天地創造や数多の交響曲、室内楽曲、ピアノ曲に並ぶハイドンの代表作として揺るぎない価値があると思ってます。これぞハイドンの真価なんじゃないでしょうか。
エステルハージ宮での録音で、演奏、録音、プロダクションともに最高です。
いま、ハイドンの録音でどのアルバムが好きかと言われたら、間違いなくこの歌曲集です。

このアルバムとの出会い以来、第6巻がリーリースされるまで、リリースの度に各巻を手に入れ、昇天してきました。

勢いに乗って、分売の各巻も紹介してしまいます!

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演奏者の気持ちが乗った演奏は、やはり人の心を打つものですね。
これからのいい季節、新緑を眺めながら、極上の歌曲を楽しむのもいいものですね。

しばらくの間で、ゆっくりリストに登録していきたいと思います。

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アメリングの歌曲に酔う [スポットライト]

今日は趣向を変えて、歌曲集を。

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私の好きなアルバムで、ハイドンのピアノ伴奏の歌曲を3枚にまとめたもの。
手に入れたのは元のフィリップス盤ではなく、ブリリアント盤です。すり切れるほど聴いてます(CDなのですり切れませんが、、、)

アメリングの可憐なソプラノとデムスのピアノの紡ぎ出す至福のひととき。
時間が止まる寸前の最も美しい瞬間がそここここにあって、絶妙の演奏です。
うちで一杯飲みながら、歌曲を楽しむという、なんと言う王侯貴族のような贅沢でしょう。

ここで紹介するためにちょっと調べたところ、1981年のレコードアカデミー賞大賞受賞盤とのこと。知りませんでした(笑)
自分が聴いていいなと思ったものが世の中で評価されていることを知るのは、ちょっと鼻が高いというか、変な優越感というか、そうゆう心境になります。
こんな心境になるのは2度目。以前LPでマッケラスの利口な女狐の物語を買って、野性味と洗練のるつぼのようなヤナーチェクの音楽にマッケラスが鋼のような統率と緊張を与えているのを聴き、これは凄いとうなっていたところ、本盤同様レコードアカデミー賞大賞に選ばれ、我ながらなんという酔眼と悦に入っていました。
ま、それだけなんですが、要は良い音楽は、多くの人の心を打つというだけでしょう。

逆に、世評の高い盤をそれを知って買うのは、ちと気が引けるというか、はずかしいというかそうゆう心境になってしまいます。
基本はジャケットから感じる霊気、インスピレーションだと思います。パッケージデザイナーの創意を買いたいという意味もあります。

さてさて、ブログのほうもマメに更新するとアクセス数が伸びたりして、コツコツ書く楽しみがわかってきました。
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皆様今後ともよろしくお願いいたします。

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磨き抜かれた逸品、チェリのロンドン [スポットライト]

今日はチェリビダッケのハイドンを。

手元には9枚のアルバムに11曲の演奏があります。

92番「オックスフォード」
Celibidache, Münchner Philharmoniker (28 February 1993/Live) [7'41/11'03/6'43/4'23] EMI CLASICCS 5 56519 2 [++++]

94番「驚愕」
Celibidache, Berliner Philharmoniker (28 September 1946) [8'02/7'03/5'54/3'28] TAHRA TAH 273 [++++]

102番
Celibidache, Stuttgart Symphony Orchestra (26 September 1971) [7'40/6'03/6'20/4'05] rlecchino ARLA92 [++]

103番「太鼓連打」
Celibidache, Stuttgart Symphony Orchestra (26 September 1971) [8'53/10'53/5'14/5'01] rlecchino ARLA92 [+++]
Celibidache, Münchner Philharmoniker (11, 12 November 1993/Live) [10'42/12'05/5'50/5'59] EMI CLASSICS 7243 5 56518 2 2 [+++++]
Celibidache, RSO Stuttgart (????/Live) [8'53/10'49/5'11/4'54] AUDIOR AUD-7013 [+++++]

104番「ロンドン」
Celibidache, Berliner Philharmoniker (20 January 1950) [8'03/9'24/6'13/4'53] recchino ARLA96 [+++]
Celibidache, Berliner Philharmoniker (20 February 1950) [8'04/9'23/6'13/4'38] URANIA URN 22.132 [+++]
Celibidache, Münchner Philharmoniker (14, 16 April 1992/Live) [10'42/12'05/5'50/5'59] EMI CLASSICS 7243 5 56518 2 2 [+++++]
Celibidache, RSO Stuttgart (????/Live) [7'24/8'41/5'39/4'54] AUDIOR AUD-7013 [+++++]

トランペット協奏曲
Komischke(Trumpet), Celibidache, The Munich Philharmonic Orchestra (22 June 1991/Live) [6'09/3'24/4'31] sardana records sacd-126 [++++]

チェリビダッケの演奏に共通するのはぐっとテンポを落としてフレーズをきっちり磨き込んでいくような姿勢。テンポは揺らさず、どのような場面でも破綻することがなく、非常にスタティックな印象です。

あらためて聴き直して、これはと思ったのがロンドン。おすすめは92年度ミュンヘンフィルのEMI盤といいたいところですが、実はシュツットガルト放送響との録音年不明の1枚。これは海賊版なんでようか。

CelibidacheAUD.jpg


ウィキペディアの記事によると、チェリビダッケがシュツットガルト放送響を集中的に振っていたのは1971年から10年ほどとこのとで、この録音も同時期の録音ではないかと推定されます。そこで海外のファンサイトで、チェリビダッケとシュツットガルト放送響とのコンサート記録を調べてみると、、、


23.11.1980 Tübingen
Joseph Haydn: Sinfonie Nr. 104 
Anton Bruckner: Sinfonie Nr. 3

ロンドンが演奏されたのはこの1回であることを考えると、この日の録音だったんじゃないでしょうか。

演奏は、チェリの特徴が十分に発揮されたもの。このオケとの長年にわたる信頼関係を裏付けるような、細部まで磨き抜かれたすばらしい出来。弦のフレージングがキレまくってます。フィナーレの盛り上がりも十分。

公式盤であるEMI盤もこれに近いいい出来です。入手できるとしたらこちらでしょうから、見つけられたときは是非。

CelibidacheEMI.jpg


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カンブルランのハイドン [スポットライト]

昨日のコンサートが良かったので、あんまりきちんと聴いてなかったカンブルランのハイドンを取り出して、聴き直し。

CambrelingHaydn.jpg

曲目は、73番狩(2001年)、26番ラメンタチオーネ(2005年)、82番熊(2001年)の3曲。オケはバーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団。
コンサートでのモーツァルトと同様、クッキリした旋律とメリハリのついたオーケストレーションが特徴。73番は1楽章の明るいメロディーをテンポよく描いていきます。弦楽器のつややかさが昨日の読売日響より一枚上手でしょうか。やはり各旋律のコントロールが行き届いて緻密さを感じさせるところがカンブルランの美点でしょう。有名なフィナーレもびしっと盛り上がっていい切れです。

26番は疾風怒濤期のほの暗い旋律が、どこか色っぽいニュアンスもともなって、ドイツ系の指揮者とは違ったアプローチです。私の好きな2楽章のメロディーは第一ヴァイオリンの明るい音色が特徴的な純音楽的な美しさを感じさせる演奏。こうゆうメロディーをきっちり聴かせるところは流石です。

そして熊。基本的に前の2曲と同じアプローチですが、テンポが速めに設定され、メロディーラインにもすこし遊びが入るなど、個性的な部分が増えています。この明るい熊の始まり方で思い出すのが、デュトワですが、彼の場合はテンポはほとんど揺らさずというかかなり堅固な印象があり、同じような緻密なオーケストレーションを特徴とするアプローチながら、表現する内容は結構違うものになります。

あらためて生を聴いたことを踏まえて評価すると、いい演奏ですね。ドイツ系の指揮者のハイドンとは少々異なりますが、現代オケによるハイドンの交響曲の演奏としてはおすすめ盤だと思います。

ついでに、昨日手に入れたモーツァルトの方も紹介しておきましょう。

Cambreling.jpg

こちらは33番(2006年)、ハフナー(2002年)、プラハ(2005年)の3曲とDVDのセット。ジュピターが良かったので、つい手が伸びました。ハフナーだけ音がオフマイク気味ですこし音響がちがいますが、3曲とも名演。特にプラハは気合いの乗ったいい演奏ですね。こちらもおすすめですね。



正直言うと、私自身はカンブルランのことはあまり良く知りませんでしたし、今回のコンサートを聴くまで、ノーマークでした。
いや、あなどってましたが、HMV ONLINEでも78件ものアルバムが引っかかりますので、ずいぶんとアルバムがリリースされていることになります。現代もの、オペラが多いようですが、ブルックナーやモーツァルトなども含まれていて、オールラウンダーな印象。
ヨーロッパではかなりメジャーな存在なんでしょうね。

ライナーノーツによると、トロンボーン奏者出身で、70年代にはブーレーズに招かれアンサンブル・アンテルコンテンポランの客演指揮などを担当していたとのこと。現代音楽に対する理解はこのころに築かれたものでしょう。それからはヨーロッパ各地の歌劇場で数々のオペラを手がけるとともに、コンサート指揮者としてベルリンフィルをはじめとする有名オケと共演し、99年からこのアルバムのオケであるバーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団の主席指揮者に。

読売日響はスクロヴァチェフスキにつづき、いい指揮者を選んだものですね。これからも時々コンサートに顔をだして楽しまさせてもらいます。

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音魂、クライバーの驚愕 [スポットライト]

驚愕の演奏にこれほど相応しい人はいないでしょう。
今日はカルロス・クライバーのハイドンを。

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クライバーのハイドンで所有しているのは、驚愕のみ3枚。82年のウィーンフィル盤と録音年不詳のケルン放送響のもの。写真はウィーンフィル盤。

期待通り、エネルギーに満ちあふれた音の塊を振りかざすようなクライバー独特の節回しで第1楽章を快速に飛ばします。所々腕をぐるぐるぶん回してオケを煽ってるんだろうところも想像できて痛快です。第2楽章も比較的速いテンポでぐいぐい進み、びっくりの部分はテンポよくボディーブローが入ります(笑)。そのままのテンションで第3、第4楽章になだれこみ、特に第4楽章は、期待どおり疾風のような早さで駆け抜けます。低音弦のうなりもすばらしく、興奮状態のままフィニッシュ! すばらしい高揚感!

やはり、天才としかいいようがありませんね。同じ音符からここまでの興奮を引き出すことは、他のだれにも出来ないような気がします。一度生で聴いてみたかったです(涙)

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枯淡、シューリヒトのハイドン [スポットライト]

ようやくヒストリカルなハイドン演奏の至宝、シューリヒトの再整理に。
手元には8組のアルバムがあります。そのうち現在も販売中のものを紹介。

SchurichtHanssler.jpg

SchurichtHanssler2.jpg

SchurichtMemories.jpg

録音しているのは次の通り。
8組のアルバムでも同じ演奏が複数含まれてます。

86番 2種(1954年シュツットガルト放送響、1961年NDR交響楽団)
95番 1種(1955年シュツットガルト放送響)
100番 2種(1955年シュツットガルト放送響、1960年シュツットガルト放送響)
104番ロンドン 2種(1952年シュツットガルト放送響、1955年フランス管弦楽団)

このなかで、個人的に思い入れがあるのは86番。
86番は刷り込みのもとになるほど聞き込んだ演奏。54年の演奏も61年の演奏も基本的に同じ方向の演奏ですが、54年の演奏の方が録音のせいか暖かみがあって好きです。シューリヒトらしい、枯れきったというか、さっぱりとしたフレージングで、86番の純音楽的な曲想を刻んでいきます。どこにも派手な演出はなく、目立った特徴というのもないんですが、これ以上味わい深い演奏もないだろうと思える不思議な演奏です。ハスキルの演奏と同様、練らないというかフレージングのつなぎが逆に早く出る感じがあえて言えば特徴なんでしょう。古老の草書の達筆をみるような風情ですね。

86番は上に上げたようなアルバムで最近もリリースされていますが、一番聴いてきたのはディスクリフレイン盤。ジャケットの渋さも含めて私にとっての宝物です。中古でも見つけてもう一組もっていたいくらいです。こうゆう意味のない楽しみこそ趣味なんでしょうね(笑)

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シェルヘン、軍隊の爆演 [スポットライト]

今日はシェルヘンの交響曲集(2枚組)。最近tahraからリリースされたもの。

ScherchenTahra.jpg

曲目はリンク先をご覧ください。
この選集の聴き所は1954年のロイヤルフィルによる軍隊です。
軍隊はこれまで、ウィーン国立歌劇場管弦楽団との1951年の録音がウエストミンスターやドイツグラモフォンからリリースされていましたが、この録音は初CD化とのことです。

まずびっくりしたのが、腹に響く重低音。第2楽章のグランカッサが炸裂です。もちろん音に古さは感じられますが、1954年の演奏とは思えない鮮明さと迫力。ライナーノーツによれば、初出時には”Panorthophonic Technology”なる技術を使った実験的なシリーズとしてリリースされたものとのこと。当時から音の良さを売りにした録音だった訳ですね。
tahraのこのリリースもリマスターエンジニアの名前がCharles Eddiと表示されていることから、リマスターに非常に拘ったリリースになっています。

他の曲もドイツグラモフォンの19曲収めたボックス(こちらは廃盤のようですね)の録音にくらべて、高域のキレ、奥行き感などが良くなっており、あえてリリースする意味があるすばらしい仕事といえるでしょう。

もともとシェルヘンは好きな指揮者で、音符を直接音にするというよりは、曲の構造を俯瞰して、各楽章を明確に描きわけ、また、曲の構造を明確化するようなメリハリ、情緒に溺れない毅然としたフレージングなどが特徴です。ハイドンの交響曲もシェルヘンが振ると構造的な厳しさが表現され、他の指揮者とはまったくことなった、岩のような揺るぎなさをもつ姿が浮き上がってきます。

この選集の冒頭の告別はフィナーレの奏者がだんだん少なくなるところで、さよなら(Auf Wiedersehen)と言いながら奏者が去っていく、録音ならではの粋な演出があり、遊び心も少なからず持っていたことがわかります。

演奏から50年以上を経て、なお録音がリリースされるというのはやはりすごいこと。時代を超えて人の心に何かを訴えるものがあります。古楽器の演奏も好きですが、ヒストリカルな録音もやめられませんな。
現在演奏され、リリースされている数多くの演奏のうち、50年後にもリリースされ続ける演奏は、数えるほどになるんでしょうね。

(Blogでつぶやき)
今日はNHKで諏訪御柱祭りの生中継をみながらのんびりと。いやいや山から柱もろとも人が雪崩落ちる勇壮なお祭り。軍隊に負けず劣らず大迫力でした(笑)

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アルノンクールの初期交響曲集 [スポットライト]

先日ブリュッヘンの交響曲集の記事で、古楽器のなかでも個性的なものだと紹介したんですが、個性的という意味では触れなくてはならないものがあることにアップ直後に気づきました。もちろんアルノンクールです。

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アルノンクールのハイドンはアムステルダムコンセルトヘボウとのロンドンセットをはじめとして、ミサ曲集などいろいろでていますが、最も特徴的なのは初期交響曲集じゃないかと思います。

上に取り上げたのは、31番ホルン信号、59番火事、73番狩を収めた1枚と、30番アレルヤ、53番帝国、69番ラウドン将軍を収めた1枚です。他に、45番告別、60番迂闊もの、そして6番朝、7番昼、8番晩を収めたものなど計4枚がリリースされてます。

久しぶりに取り出して、アルノンクール独特の金管のアクセントを効かせた祝祭的演奏を楽しみましたが、ここで気づくべきは選曲なんじゃないかと思ったわけです。ロンドンセットやパリセットは多くの指揮者が録音していますが、ハイドンの初期の交響曲のなかからここにあげた曲を選ぶというところからアルノンクールの好みが色濃く反映されていると思わざるを得ません。このあたりの曲を録音するときには、受難とか悲しみ、マリアテレジアなんかを選んでくるのが一般的だと思いますが、そうではなく、ある意味アルノンクールのアプローチが映える曲を並べてアルバムとしているのが面白いところ。

おそらく最もアルノンクールのアプローチが効果的なのはホルン信号で、冒頭のホルンの号砲から金管がはじけきってます。帝国や狩は終楽章のみが単独で取り上げられるほど盛り上がる曲ですし、告別や火事など残りの曲もハイドンの中ではユニークな曲想を持つ曲です。これらの曲をギョロ目をひんむいて、これでもかと言わんばかりにメリハリをつけて振られれば、個性的と言わざるを得ない演奏となります。

これらの曲をアルノンクールで最初に聴いてしまうと、強烈な印象が刷り込まれて普通の演奏では満足できない体になってしまうこと確実です(笑)
私自身はハイドンではいろんな演奏を聴いてからアルノンクールに至ったため、アルノンクールの呪縛にはまることはありませんでしたが、何を隠そうモーツァルトでは、どうしても20番の交響曲の強烈な印象があり、20番はアルノンクール以外の演奏を受け付けない体になっちゃってます(笑)
嘘だと思ったら一度モーツァルトの20番のアルノンクール盤を是非聴いてみてください。20番といわれてピンとくる方は少ないかもしれませんが、なかなか突き抜けた曲です。ちなみに同様の呪縛に23番のコープマンというのもあって、こちらはワクワク呪縛タイプの演奏です(モーツァルトねたばかりでスミマセン)

ハイドンの曲をいろいろな指揮者で聴いて20年くらいになりますが、まだまだ聴き飽きることはありません。自分だったらどう振るかなんて想像しながら聴くのは至福のひと時です。
今日はアルノンクールをつまみに、ラガヴーリンの16年を少々いただいてます。(ほんとはモルトで至福なだけです、、、、)

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