ピアノソナタ全集のあれこれ [この一枚]
このところ、ピアノソナタのCDの棚卸しで、あれこれとつまんで聴いてます。
その中で気になったものをいくつか。
1つ目はピアッツィーニ。
これはARTE NOVAレーベルから1枚づつリリースされていたものをまとめた9枚組の全集。
ポチポチ手に入れたときには、あまり印象に残らなかったものですが、今回あらためて何枚か聴いてみました。
特に録音年月の古いものほど、ゆっくりした楽章が、どこかで聴いたようなフレーズ。
そうです。1月19日に取り上げた(http://haydnrecarchive.blog.so-net.ne.jp/2010-01-19)レイグラフとそっくりなんです。
そこで恐る恐るライナーノーツを紐解いてみると、ピアッツィーニはアルゼンチンのブエノスアイレス出身で、ドイツに渡り、ケンプの支援のもとレイグラフに長年師事したとのこと。納得です。
まさに「鍵盤を一つ一つ確かめるように、音をおいていくような演奏」です。
最後の2枚については、レイグラフの影響から少し離れて、自身の演奏スタイルを見いだしたようなところもありますが、全般にレイグラフの影響を大きく受けていることは間違いありません。
落ち着いて味わい深いハイドンの全集として、おすすめ出来る選択です。
2つ目は、NAXOSのヤンドー盤です。
こちらも、10枚にわたってリリースされてきたものを最近ボックスとしてまとめてリリースされたもの。
こちらも入手時に聴いたときはテクニックは確かだけど、これといって特徴のない演奏という印象。
ところが、あらためていろいろ聴き直してみると、これが非常にいい。ピアノによる演奏では、ベーシックな選択としてどなたにもお勧めできるもの。どの曲もバランスよく、曲の面白さがよく表現できていると思います。
どちらのセットもボックスで入手すれば非常に安いものですので、ピアノの演奏でハイドンのソナタを楽しむための入門盤としておすすめできます。ちなみにどちらかと言えば、私はヤンドー盤をとりますかね。
ピアノによる全集にはまだまだ選択肢がありますが、整理中ゆえ、またの機会に紹介しましょう。
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