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アバドの「奇跡」 [この一枚]

いろんなところで何回か書いていますが、アバドのハイドンはキレてます。

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アバドがヨーロッパ室内管を振ったハイドンの交響曲と協奏交響曲などで、これまで4枚のアルバムがリリースされましたが、一部を除いて入手困難な状態が続いていました。
それらの録音をまとめて最近ボックスでリリースされ、名録音がふたたび手に入るようになりました。

アバドのハイドンの特徴は、小編成のオケの俊敏な反応を楽しむような切れのいい演奏。
それぞれの曲がこれまで演奏されてきた、いわゆる伝統的な演奏の型のようなものの存在を一切感じさせず、楽譜から純粋無垢な音を紡ぎ出したような音楽です。同じような感覚はアバドのドン・ジョバンニや魔笛を聴いたときにも感じましたが、ここまで無垢な音楽を奏でられるという感覚に天才を感じます。
どちらかというと、かなりあっさりとしたフレージングで、きびきびとしたダイナミックな展開、爽やかさが心情です。ハイドンの曲の構造の見事さを俯瞰すると同時にオケの巧さを楽しむにもいい演奏です。

このアルバムの中で1曲挙げろといわれれば、迷わず96番「奇跡」です。奇跡のベストを挙げろといわれたら、まずアバドです。
このアルバムの中でもオケの俊敏さはぴか一。まさに火を噴くような演奏です。
それから、「時計」「太鼓連打」協奏交響曲などがおすすめです。
おそらくアバドに今後ハイドンの録音は期待できないでしょうから、この演奏が途絶えず販売し続けられることを望むばかりです。

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