朝比奈隆のオックスフォード、99番 [新着アルバム]
今週は、年度末で仕事と送別会、歓迎会が立て込み、なかなか更新できませんでした。
今日はHMV ONLINEから届いたばかりの新着盤で、非常に珍しい朝比奈隆のハイドンです。
朝比奈といえばまずブルックナーですが、実はあんまりちゃんと聴いたことがありません。
個人的に印象にのこっているのはベートーベンの4番で、遅めのテンポで堂々とした古風な演奏だったというのが正直なところ。ベートーベンの神髄である沸き上がるエネルギーが感じられず、いまひとつな印象でした。
今回は朝比奈のハイドンという非常に珍しい録音をコレクションに加えたいというつもりで発注。
し、しかし、甘く見ていました。これは名演です。
92番オックスフォードと99番の組み合わせで、オケはベルリン放送交響楽団。録音は1971年と74年。
テンポはゆっくり目ながら規律を失わずしっかり刻んでいき、また弦楽器は歯切れを強調して、ハイドン曲の折り目正しさを際立たせていきます。両曲とも2楽章が秀逸。規律と叙情の高度な融合といった趣。そしてなにより聴き所はオックスフォードの終楽章。でだしのバイオリンのなんという晴れやかなフレージング。こんなに弾んだバイオリンは聴いたことがありません。このような曲想の本質を理解した色づけが朝比奈の真骨頂なんでしょう。そして、規律をたもちながら引き締まったフィナーレへ。
最後のトラックには朝比奈のドイツ語のインタビューが納められていますが、こちらは残念ながら何を言ってるのかわかりません(笑)
他にハイドンの録音があるのかどうかわかりませんが、もし残されているのなら、是非聴いてみたくなりました。文句なしにおすすめ盤です。
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