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アルノンクールの初期交響曲集 [スポットライト]

先日ブリュッヘンの交響曲集の記事で、古楽器のなかでも個性的なものだと紹介したんですが、個性的という意味では触れなくてはならないものがあることにアップ直後に気づきました。もちろんアルノンクールです。

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アルノンクールのハイドンはアムステルダムコンセルトヘボウとのロンドンセットをはじめとして、ミサ曲集などいろいろでていますが、最も特徴的なのは初期交響曲集じゃないかと思います。

上に取り上げたのは、31番ホルン信号、59番火事、73番狩を収めた1枚と、30番アレルヤ、53番帝国、69番ラウドン将軍を収めた1枚です。他に、45番告別、60番迂闊もの、そして6番朝、7番昼、8番晩を収めたものなど計4枚がリリースされてます。

久しぶりに取り出して、アルノンクール独特の金管のアクセントを効かせた祝祭的演奏を楽しみましたが、ここで気づくべきは選曲なんじゃないかと思ったわけです。ロンドンセットやパリセットは多くの指揮者が録音していますが、ハイドンの初期の交響曲のなかからここにあげた曲を選ぶというところからアルノンクールの好みが色濃く反映されていると思わざるを得ません。このあたりの曲を録音するときには、受難とか悲しみ、マリアテレジアなんかを選んでくるのが一般的だと思いますが、そうではなく、ある意味アルノンクールのアプローチが映える曲を並べてアルバムとしているのが面白いところ。

おそらく最もアルノンクールのアプローチが効果的なのはホルン信号で、冒頭のホルンの号砲から金管がはじけきってます。帝国や狩は終楽章のみが単独で取り上げられるほど盛り上がる曲ですし、告別や火事など残りの曲もハイドンの中ではユニークな曲想を持つ曲です。これらの曲をギョロ目をひんむいて、これでもかと言わんばかりにメリハリをつけて振られれば、個性的と言わざるを得ない演奏となります。

これらの曲をアルノンクールで最初に聴いてしまうと、強烈な印象が刷り込まれて普通の演奏では満足できない体になってしまうこと確実です(笑)
私自身はハイドンではいろんな演奏を聴いてからアルノンクールに至ったため、アルノンクールの呪縛にはまることはありませんでしたが、何を隠そうモーツァルトでは、どうしても20番の交響曲の強烈な印象があり、20番はアルノンクール以外の演奏を受け付けない体になっちゃってます(笑)
嘘だと思ったら一度モーツァルトの20番のアルノンクール盤を是非聴いてみてください。20番といわれてピンとくる方は少ないかもしれませんが、なかなか突き抜けた曲です。ちなみに同様の呪縛に23番のコープマンというのもあって、こちらはワクワク呪縛タイプの演奏です(モーツァルトねたばかりでスミマセン)

ハイドンの曲をいろいろな指揮者で聴いて20年くらいになりますが、まだまだ聴き飽きることはありません。自分だったらどう振るかなんて想像しながら聴くのは至福のひと時です。
今日はアルノンクールをつまみに、ラガヴーリンの16年を少々いただいてます。(ほんとはモルトで至福なだけです、、、、)

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