枯淡、シューリヒトのハイドン [スポットライト]
ようやくヒストリカルなハイドン演奏の至宝、シューリヒトの再整理に。
手元には8組のアルバムがあります。そのうち現在も販売中のものを紹介。
録音しているのは次の通り。
8組のアルバムでも同じ演奏が複数含まれてます。
86番 2種(1954年シュツットガルト放送響、1961年NDR交響楽団)
95番 1種(1955年シュツットガルト放送響)
100番 2種(1955年シュツットガルト放送響、1960年シュツットガルト放送響)
104番ロンドン 2種(1952年シュツットガルト放送響、1955年フランス管弦楽団)
このなかで、個人的に思い入れがあるのは86番。
86番は刷り込みのもとになるほど聞き込んだ演奏。54年の演奏も61年の演奏も基本的に同じ方向の演奏ですが、54年の演奏の方が録音のせいか暖かみがあって好きです。シューリヒトらしい、枯れきったというか、さっぱりとしたフレージングで、86番の純音楽的な曲想を刻んでいきます。どこにも派手な演出はなく、目立った特徴というのもないんですが、これ以上味わい深い演奏もないだろうと思える不思議な演奏です。ハスキルの演奏と同様、練らないというかフレージングのつなぎが逆に早く出る感じがあえて言えば特徴なんでしょう。古老の草書の達筆をみるような風情ですね。
86番は上に上げたようなアルバムで最近もリリースされていますが、一番聴いてきたのはディスクリフレイン盤。ジャケットの渋さも含めて私にとっての宝物です。中古でも見つけてもう一組もっていたいくらいです。こうゆう意味のない楽しみこそ趣味なんでしょうね(笑)
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