アリアの洪水! [この一枚]
歌曲つながりで、歌ものをもう1枚取り上げましょう。
マンフレッド・フス指揮のハイドンシンフォニエッタ・ウィーンによる、ハイドンの珍しいアリア集。
今年に入って手に入れたものですが、所有盤リストに登録していなかったので、この週末に登録しました。声楽曲の登録は、曲を特定して1曲1曲登録するのに時間がかかります。
先日取り上げたアメリングの歌曲集、そしてこちらも魅力的なオジェーの歌曲集などともにリストに追記しました。
曲名や評価等はこちらをご覧下さい。
Opera & Vocal 1 (オペラ、アリア、オラトリオ)
Opera & Vocal 3 (歌曲など)
この盤に含まれている曲は、ハイドンがエステルハーザに勤めていた時代に他の作曲家の作品のために書いたアリア(挿入アリア)
さて、肝心の演奏ですが、これがまた、期待を上回るすばらしい演奏。ハイドンのオペラのアリアがいかにすばらしいものだったかを再確認できます。モーツァルトやロッシーニのような突き抜けた閃きのようなものはさすがに感じられないものの、古典派オペラのアリアの最上の喜びに満ちています。
歌手は有名な人ではありませんが、ソプラノのピアソン、テノールのリヒターともに音程、テンポ感、声量ともに申し分なく、張りのあるすばらしい歌唱を楽しめます。そして何より見事なのがフスの指揮するオケ。
フスはハイドンシンフォニエッタ・ウィーンとともに、以前はKOCH SCHWANNレーベルにハイドンの管弦楽曲やバリトン曲、序曲集などの録音がありますが、何れも非常にいい演奏でした。特にオペラ序曲集は、古楽器による演奏ながら、ハイドンのオペラの序曲から、オペラの幕が開く前のざわめきというか期待感を感じさせる臨場感のあるすばらしい演奏でした。
これらの古い録音は、KOCH SCHWANNがなくなってしまったあと、そのまま現在、スウェーデンのBISレーベルに移り、ほとんどの(すべて?)録音が再リリースされています。BISがいかにフスを評価しているかがわかります。
この盤でのフスの指揮も、やはりオペラの劇場にいるざわめきのような雰囲気と、歌を支える絶妙の間があって、とっても楽しめます。古楽器のオケでこれだけの演奏はなかなか聞けないレベルの演奏だと思います。
この盤に含まれる13曲のアリアを通して聴くと、ハイドンのアリアの洪水にどっぷり浸かったような気になれます。
こうゆう演奏の価値も、資料的価値もあるきちんとしたアルバムをリリースしてくれるレーベルに感謝感謝ですね。
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